櫻イミト

国宝の櫻イミトのレビュー・感想・評価

国宝(2025年製作の映画)
4.0
久々に重厚な新作邦画だった。台詞を少なめに映像で物語っていく手法は、歌舞伎を描くための最適解だったと思う。短く印象的なエピソードを積み重ねていくアニメ風なシナリオも今作に合っていた。

 
撮影にソフィアン・エル・ファニを招いたのも勝因。外国人の視点が歌舞伎の美しさを先入観なしに捉える上で有効だったと思う。ダニエル・シュミット監督×レナート・ベルタ撮影監督×玉三郎の「書かれた顔」(1995)を参考にしたのではないか。田中泯の存在感は同作での大野一雄を連想した。
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