このレビューはネタバレを含みます
歌舞伎を通した人間ドラマで、ちょっとスポ根要素ありな感じ?
みみずくが意味ありげに映し出される。蛇とネズミを餌に持ってくると。人間にとっては心象がよくない動物だから、血を大事にする歌舞伎の世界では歌舞伎に向き合うほどキクちゃんは蛇やネズミに映るのかなと感じました。晴れの舞台で半二郎が病気に倒れるし最期に呼ぶのが俊ちゃんの名前ってのが部屋子のキクちゃんには余計しんどいよね
新旧人間国宝がそろった部屋で万菊に「この部屋にはきれいなものはありません」って言われるシーン。小さい時に言われた「きれいな顔、でもその顔に食われますよ」ってとこからつながってる、二人だけにしか理解できない世界。万菊が俊ちゃんに教えてるときに「歌舞伎が憎い?でも踊るしかない」って言ってセリフ。あれは横にいたキクちゃんに言ってたと思う。
俊ちゃんの最期の演技は心にきました。二人だけが役としてじゃなくて最後の演技だとわかってて、、、殺すキクちゃんもつらかっただろうなと
もうちょっと演劇中の言葉理解できる知識があればもっと深く楽しめたと思う。とてもきれいな作品でした