妻死亡の衝撃を抱えているトーク番組司会者が、視聴率回復のために悪霊を生出演させようとする。架空のテレビ番組を題材にしている、"ファウンド・フッテージ"系のオカルト・ホラー。
生放送中の映像(スタンダードサイズ)と放送外の掛け合い(ワイドサイズ)を交互に描きながら、顛末を追っていく作風。超常現象研究家の女性&悪魔憑きの少女、オカルト懐疑派の博士が、生放送の番組内で刺激的なパフォーマンスを展開させる。
放送中のカメラのスイッチングに"わざとらしさ"があるけれども、出演者の髪型や服装、映像の質感に拘りが感じられる。催眠術をかけられた男がバッド・トリップしている間、少女だけゲラゲラ笑っているところが最高に面白い。
司会者が置かれている境遇を推量しながら鑑賞するスタイルが面白く、悪霊が人間の脳内に直接攻撃を仕掛けてくる感覚に浸ることができる。惜しむらくは、作り込まれたライブ映像に"生っぽい臨場感"が欠けているところ。