1985年のハリウッド。
「X エックス」の惨劇を生き残り、ポルノ界のスターとなったマキシーンが、カルト的人気のあるホラー映画の続編で大役を得る。
撮影が迫る中、街では若い女性を狙った連続殺人が起こり、ハリウッドの俗悪さを糾弾するキリスト教保守派のデモも続いている。
やがてマキシーンの周りの人々も殺され、テキサスの事件の真相を知る謎の人物から脅迫される様になる。
ホラー映画のタイトルが「ピューリタン」って言うのがw
タイ・ウェストとミア・ゴスが組んだ三部作最終作は、主人公が再びマキシーンに戻り、ミステリータッチで展開する。
街を騒がす殺人と、謎の脅迫者との関連は?
なぜはマキシーンは「死」を呼び寄せるのか?
時代感たっぷりで、全体のタッチも当時の映画、例えばブライアン・デ・パルマあたりのサスペンス映画に、スプラッタ風味を加えた感じ。
70年代末が舞台の「X」は、キリスト教保守派の価値観と、ヒッピー文化のフリーダムな価値観の衝突を描いたが、これはその延長線上に、第二作「パール」の構造を変形させて組み込んだような作りだ。
例によってミア・ゴスが無双するんだけど、タイトルロールのマキシーンが、ある意味殺人鬼よりもヤバい奴やんかw
ジャンル映画のマスターピースである、「サイコ」へのオマージュもたっぷり。
ちゅうか、ここまで堂々とアレ使ったの初めて見た。
三部作を通して見えてくるのが、アメリカの狂乱の世紀の象徴としてのハリウッドというのが、いかにもタイ・ウェストらしい。
今のハリウッドの窮状と比べると、俗っぽいエネルギー溢れるあの頃に、タイムスリップしたくなるかも。