大学院生ベーブ(ダスティン・ホフマン)は元ナチ党員クリスティアン・ゼル(ローレンス・オリヴィエ)に拉致され拷問される。現れる関係者にことごとく裏切られ、隙をついて逃げたベーブは恋人エルサ(マルト・ケラー)に助けを求めるが、そこにはさらなる裏切りが待っていた。
「真夜中のカーボーイ」に続いてジョン・シュレシンジャー監督がダスティン・ホフマンと組んだサスペンス作品。
観ていて途中から気付きはするものの、えー!そいつも敵かよ!?と裏切られまくる展開に振り回される。
結局、敵の正体ははっきりとは分からなかったし、監禁や追跡がお粗末だし、ダスティン・ホフマンは勇敢すぎるけど、サスペンス映画としてかなり面白かった。
最大の見どころは“サー”ローレンス・オリヴィエの怪演だろう。
歯をドリルで責めるシーンは見てるだけでゾワゾワする、映画史に残る拷問シーンだ。
かつて虐待したユダヤ人たちに追われ、老いても富に執着する元ナチスというキャラクターは強く記憶に残る。