シンタロー

マラソン マンのシンタローのレビュー・感想・評価

マラソン マン(1976年製作の映画)
3.3
ニューヨークの街中で、戦時中にユダヤ人から奪ったダイヤモンドを管理していた老人が事故死する。このナチ党員は、残忍な戦犯で潜伏中のゼルの兄であった。自称実業家のドクは、ある任務でパリに滞在中だったが、素性がばれて命を狙われていた。その頃、マラソン好きの大学院生でドクの弟ベーブは、図書館でミステリアスなスイス人学生エルサと恋をするが、デート中突然凶漢に襲われる事件が発生。一方、兄の死を知ったゼルは、秘密裏にニューヨークへ向かっていた…。
70年代のダスティン・ホフマン好きな自分としては外せない作品で、ローレンス・オリヴィエ、ロイ・シャイダーとの競演も眼福。何度も鑑賞している愛すべき作品なのですが、映画としてはどうなんでしょうかね。そもそも「マラソンマン」ってタイトルは?ベーブの憧れというマラソン選手アベベの挿入も?優秀な学生らしいけど、ベーブって何を目指してる人物なのか、最後までわからなかったです。あと、意味ありげに語られる父親の自殺の真相、ベーブが父親の無念を晴らすために書いているという論文の件、回収しきれていない感じがしました。紅一点のエルサのキャラ設定が薄っぺらいのも残念。
見どころは、有名過ぎるサディスティックで悪趣味な拷問シーン。これを大名優ローレンス・オリヴィエに演らせたのは凄い。役作りのためとはいえ、禿げ頭にさせちゃったのも最高。そりゃオスカー候補にしないわけにはいかないでしょう。あとは脂が乗り切った頃のダスティン・ホフマンとロイ・シャイダーの絞り込んだ体作りと脱ぎっぷりの良さね。仲の良い兄弟を演じたのも微笑ましい。ダスティンは、「真夜中のカーボーイ」以来のジョン・シュレシンジャー監督とのコンビ。期待値が高かっただけに物足りなかったかもしれないけど、やっぱり彼のお芝居は好きです。やたら入浴シーンが多いのはファンサービスでしょうか。残念ながら学生には見えませんでした。ロイ・シャイダーは代表作「ジョーズ」の翌年にあたる作品で、謎の半裸で筋トレからの、暗殺者を返り討ちにするシーンがカッコよすぎ。途中退場が早過ぎるのは残念。ヒロインにはマルト・ケラー。老け過ぎだし、ひどいミスキャストだけど、魅力のない役柄なので致し方ないです。
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