夭折の天才、川島雄三の代表作にして日本映画界に燦然と輝く娯楽映画の傑作。
個人的に宴会のシーンが面白い映画は全部面白いと思っているのだが、この映画は終始宴会騒ぎをしているような楽しさにあふれている。とにかく観て欲しい。白黒映画に抵抗のある人もいるかもしれないが、まず観て欲しい。
モノクロに慣れていない人に少しでもこの映画に興味を持ってもらう為に何を言ったらいいのか、とぼんやり考えたのだが、浮かんできたのはフランキー堺演じる左平次=こち亀の両さんだった。人情味にあふれ、幕末の遊郭で起こる悲喜交々の騒動を常識破りなやり方で軽快に収めていくさまは観ていて心地良い。カッコつけなくてもカッコいい、そういう本当のカッコ良さが伝わる映画だと思う。古典落語がベースなので、観終わった後にそっちを聞いてみたりしても面白いかも。
それにしても、若かりし日のファンファン大佐がJOYにしか見えない