幕末太陽傳の作品情報・感想・評価

「幕末太陽傳」に投稿された感想・評価

kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.0
「幕末太陽傳」
1957/7/14公開 日本作品 2017-153
TSUTAYA CINEMA Handbook 2016
1960年代以前ランキング8位 再鑑賞

2012年、日活が100周年を迎えることを記念して本作のデジタル修復が行われました。それを鑑賞。
今の北品川にあたる品川宿の遊郭、実際に実在した旅籠が舞台になっています。最初のナレーションで60年前の品川の様子、そして維新前の品川の様子が観られるのも興味深いですね。
作品は60年前のモノクロ作品なのに全く色褪せることもなく、今観ても抜群の面白さがあります。
グランドホテル型式でテンポ良く進むストーリー展開と主人公佐平次(フランキー堺)の活躍でさまざまな登場人物が繋がっていき物語が広がっていく脚本はとても素晴らしいと思います。見事!!
また配役もフランキー堺を主役に、石原裕次郎たちをサブに配してるのも心憎いですね。
本来コメディ作品ですが、人間臭さとリアリティがある素晴らしいドラマに仕上がっているのがここまでファンの方々が多い理由でしょうね。

川島雄三監督の代表作である異色コメディ映画で、実在した遊郭「相模屋」を舞台に起こる様々な出来事をグランドホテル方式という構成で、テンポ良く描いている。60年前の時代劇映画であるにもかかわらず年代を問わず観客の支持を得ており、日本映画史上の名作の一本として数えられる。
初見は、ACTミニシアター。
537

537の感想・評価

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すごく仕事ができる
花魁2人ともとても綺麗
30年ぶりぐらいに鑑賞。
冒頭から、なんとも洒落た演出。
戦後、の東京の風景から一気に幕末へ。

相模屋という遊郭をグルグルと人間模様が展開する、ってのは今で言う三谷幸喜的な演出、あるいは宮崎駿の「千と千尋の神隠し」にも近い。

落語の「三枚起請」や「品川心中」の話もあり。
というわけで、この30年で随分とこの作品に慣れる下地を学んだのだなぁと感心。

ニヒルな笑顔の陰に闇を孕んだ主役のフランキー堺。
面白いながらも、やっぱり怖い。

石原裕次郎ってそんなに好きじゃないのだけど、高杉晋作とスケール感と、同じくバチバチの久坂玄瑞の小林旭。

豪華キャストの配し方が楽しく、しかし、話にはどこか不穏さとSF感がつきまとう。

という点で、川島雄三監督というのは、実に私小説的に、自身の気分のようなものを無造作に作品に反映させる作家気質なんだとすごく感じた。
談志言うところの「イリュージョン」がここにある。
何百年脈々と続く、日本の舞台芸術の粋の一つが、ここにあるのかもしれません。

みどころ:
娯楽として至高の群像劇
極上のバッドエンド
幻のラストシーン
逃避が深々と残す爪痕
落語の予備知識持参推奨

あらすじ:
品川のお茶屋街と言えば、かつて吉原と渡り合った遊郭。店主、雇用人、客、通りすがりに至るまで出汁にして、無数の小噺を生んできた。しかし1958年、赤線取締法が制定され、長い歴史の幕を閉じることとなった。
物語の舞台は、そんな品川宿の女郎屋。時は幕末、250年続いた泰平の世が終わろうとしていた動乱の日々。
ある日そこで無銭飲食した佐平次という男が、代金を住み込み労働で支払うと言い出した。最初は相応の扱いだったが、チップさえ渡せば何をさせても見事な成果を残すものだから、いつの間にやら困った時の佐平次に。人の間をすいすいと、ウィンウィンになるよう上手いこと、その度財布はちゃりんちゃりん。たらふく蓄えて何にあてるか聞いてみれば、自身の薬代だという…。

終わりゆく赤線地帯で、終わりゆく江戸時代に、終わりゆく主人公を、終わりゆく監督が撮ったという、強烈に詩的な奇跡の一本。必ず訪れる限りと対峙せず、向こう見ずに逃げ続けるとは、まさに必死の行い。天才的な機転と要領で世間を転がしていた男の、瀬戸際で晒す無様で愚かな後ろ姿が脳裏に焼き付いて仕方ないのは、その濃度が愛や美や粋ほど濃く、その闇が光ほど深いからでしょう。

“限り”そのものに負け戦を仕掛け続けるという無限の所業は、いつの世も何も残さず完結しているにもかかわらず、まだ終わりを見ない生きざまなのかもしれません。個人的圧倒的邦画最高峰。
日本映画屈指のR&B。
リズミカルな喋りとシーン展開に心踊る。
たゆまぬリズムで畳み掛ける群像劇は、やがて荒地のようなラストシーンへ。画面から発散されるとてつもない生気にあてられる。
皆さんが「面白い!」と口を揃えるの本作。... 台詞が聞き取り辛い...。デジタルリマスターで画面は綺麗になっても音は...。高杉晋作が出てくるけど完全に創作なのであまり気にしてはいけない。本当にストーリーが頭に入ってこなかったんですよ...
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