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縄張(しま)はもらったの一のレビュー・感想・評価

縄張(しま)はもらった(1968年製作の映画)
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傑作~。『野獣の青春』スタイルな策士の立ち回りと汚ねえ新興ヤクザへの怒りの殴り込みのハイブリッドで、味方も女もバンバカ酷い死に方をしていく。暗闇を懐中電灯が照らす臨場感たっぷりの中盤、浴室でのクライマックスなどなどアクションシーンなんかも凝ってて見応えあり。川地民夫・藤竜也・郷鍈治といったチーム旭の面々はそりゃもう好きなので楽しいし、男を惚れさす旭にまんまと惚れる二谷英明と宍戸錠オイシイ。ジョーに至っては「惚れっぽいのがオレの悪い癖だ 野郎に惚れたのは初めてだ」とそのまんまである。クライマックスのあと、血塗れの旭とジョーが煙草を吸いながら「こんなきたねえヤクザ、いると思わなかったぜ」としみじみ漏らすラストショットが『流血の抗争』の終盤における宙ぶらりんの時間を思わせる緩み方ですごいよかった。
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