のら

カムイ外伝ののらのレビュー・感想・評価

カムイ外伝(2009年製作の映画)
2.0
とにかく肝心のアクションがワイヤーアクションを使うことによる間延びが酷く、それに拍車をかけるようにCGがしょぼくて見るに耐えない。少なくともサメの肌が艶肌なのは新種の類と言われても仕方がないだろ…。

しかしそれ以上に酷いのは演出面で、いちいち登場人物の説明や感情をナレーションで説明する。これは連載物であれば良いかもしれないけど映画的じゃない。

さらに松山ケンイチや小雪が時代劇ゼリフに慣れてないのか、棒読みで感情移入しづらいし、小雪の動きが忍びとは思えないドタドタぶりで酷い。小林薫のおかげで何とか見れる水準を維持できているが、もし居なかったらと思うとゾッとする。

それで土屋アンナの存在感やクライマックスの色彩なんかは見どころは無いわけではない。しかしこの映画の本質は監督の崔洋一が自身の出自とカムイの出自を重ね合わせて、自分もカムイみたいに成りたかったというのを映画にしているだけの作品といえる。監督のルサンチマンに付き合わされた観客は不幸だ。
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