EugeneHashimoto

死刑執行人もまた死すのEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

すごくおもしろかった。

映画館で上映中に「死刑執行人」暗殺の報せが口伝いで広まり、拍手が起こるところ、よかった。モルダウは劇伴としてではなくて劇中劇伴して流れる。

八百屋のお婆さんが偽証を疑われて、膝が悪いのに座らせてももらえず、外れやすい椅子の背もたれを何度も拾わされるシーン、とても巧みな悪の描き方だと思った。あと序盤の、物をわざと落として拾わせるところ。

老若男女の同胞への信頼が美しい連携でチャカを暗殺者に仕立て上げていく後半。言ってしまえばいろんな人が(ウソの)証言をしているだけの単調な画なはずなのにすごくおもしろい。

地下組織の集会所の入口で魚を捌いてるおばさんが「中にいるよ」と耳打ちしてくるシーンなどとてもかっこいい。

原題の死刑執行人が複数形なのは最後の「"NOT" THE END」に繋がるんだろうな。ブレヒトの「あとから生まれてきた者たちへ……」という詩を思い起こさせる。
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