第二次大戦中のチェコで起きたナチ高官の暗殺事件を下敷きに、そっから一年も経たない戦争の最中に撮られたプロパガンダ映画。同事件を扱った『HHhH (プラハ、1942年) 』を読んでいたため、前提知識高いぜ余裕だぜとタカをくくっていたら、何と歴史ドキュメンタリー要素は無い、ほぼオリジナルのサスペンス。暗殺シーンすら描かないストイック振りに対して、ナチ側の追い込みは想像力を掻き立てる描写で、実はプロパガンダにかこつけて撮りたいサスペンス撮っただけのようにすら思えた。アメリカ亡命したユダヤ人監督が撮っているのに、クリエイター魂優先ってのはある意味すごい。展開が読めなかったせいで2時間ちょいみっちり面白でした。