グラビティボルト

死刑執行人もまた死すのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)
5.0
ラング作品の中でも一番役者が濃い!
フリッツ・ラング、いつも通り陰影の効いた画面が冴えるんだが、人物の影演出がロジカルに見えた。
この映画、「闘争する人物」には影を纏い、そうでない人物には影が演出されない。
特にゲシュタポの人間、地下組織の人間には常に影が目立つ。
町で交差してしまったばかりに地下組織に関わる事になってしまった彼女は家族と己の為に諜報戦に加担せざるおえなくなる。
そんな彼女に影が演出される瞬間がとても哀愁に満ちていた。彼女も、間接的であれ命のやり取りの歯車になってしまう。