午前10時の映画祭にて。
今年劇場で観ることが出来る!とのことで、レンタルやサブスクを見送り今日やっと観ることができました!
以下、ネタバレや感想を含みます。
作品の序盤から、幾何学的でシンメトリーなオブジェクトの配置が目立ち、不安な気持ちにさせられました。また、その色彩感覚もどこか冷酷な雰囲気が漂い、それらが相まって、ひんやりとした異様さに繋がっていました。
この強いこだわりは終始徹底されており、個人的にはそのストーリーそのものよりも、寸分の狂いも許さないような監督の几帳面さに狂気を感じました。
さらには、ストーリーのカギとなるポイントを序盤の方から順々に示し、後半へと繋いでいく描き方も特徴的でした。外堀から内側へと絞りながら描写することで、「広大なホテルに三人だけ」という状況から一転して「密度の高いホテルに閉じ込められた三人」へと変化していきます。
それは作品の時間の使い方という観点からみても、その変化とリンクしているように感じ、時間ごとの場面転換が後半の方で加速することで、序盤の緩やかな時間の流れと上手く対比しているようでした。
正直、ストーリーについては超常現象を扱っているために解釈に戸惑い、解説サイトを読んでも納得出来ない部分が多々ありました。「シャイニング」という超能力についても作中あまり語られないため、こちらの世界とあちらの世界が徐々にひっくり返っていく理由も今ひとつ理解しかねました、、
そのような部分を差し置いても、常に冷ややかなホラーが展開されいくので、夏にぴったりの作品だと思いました!
最後に一つ。降り積もる雪の迷宮に逃げ込むダニーの、判断力と機転の利かせるスピードが天才的すぎて、捕まるか捕まらないかのドキドキがなくてなんだか笑ってしまいました。