【妙に美意識の高いホラー】
ホラー映画というと、薄暗い、汚い、というイメージが先導します。しかし今作は、パステルオレンジの壁やキチンと置かれたお洒落なインテリアが印象的。画面のトーンも終始明るい。
極めつけにはあの双子。左右対称、あまりにも整った環境は不自然に感じます。ここで起こる事件。この不自然さがだんだんと不気味な違和感へと続き、恐怖に繋がっていくタイプのホラー。
作中ことあるごとに｢キーーーン｣と鳴り響く音楽に不安を煽られます。
オープニングで流れる奇妙な音楽とは裏腹に、美しい雪山の景色が打ち出されるところからも、芸術的美しさと恐怖の対比が印象的です。
場面が切り替わる時には毎回、黒地に白文字でタイトルが打ち出されますが、その際の｢ダンッ！｣という音でビクつきました。
ダニーが現在見ている映像の中に、シャイニング(能力)で突発的に切り込んでくる衝撃的な映像の断片がこわい。
いつまでも表面化しない漠然とした恐怖にもどかしさと精神的ダメージを受けます。
