鍋レモン

シャイニングの鍋レモンのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.4
⚪概要とあらすじ
モダン・ホラーの帝王S・キングの同名原作を離れ、キューブリックが独自に造り上げたホラー。

冬の間閉鎖されるホテルに、作家志望のジャック一家が管理人としてやってきた。そのホテルでは過去に、管理人が家族を惨殺するという事件が起こっていたのだが...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“キューブリックの映像がとらえた20世紀最大のモダン・ホラー最高傑作!”

「ハロー ダニー」

⚪感想
ジャケットシーンがとにかく有名すぎる作品。
サイコ、ホラー、スリラーを掛け合わせた感じ。

家族して初鑑賞。
30stmの『The Kill』が今作のオマージュと言われているのがようやく理解できた。ホテルとか双子とか、タイプライター、クマさんなど。

割と難解なきも。
でも逆にそれが良かったり。

映像、演出、登場人物、音楽、音、セット、色味が好きすぎた。
少しレトロを感じさせる。

左右対称のセットに双子の少女とそれだけでもわくわくしてしまうし幾何学模様のカーペット、そこに重なるダニーの漕ぐ三輪車の音。
ダニーの漕ぐ三輪車の音がカーペットの上では小さくなるのは作為的なはず。素晴らしすぎるでしょ。

後ろから追いかけるカメラワークが凄かった。

部屋の色味が色々と違うのもオシャレで237号室のグリーンのお風呂場が好き。
倉庫にある色々なパッケージの缶詰も良い。
迷路も好き。

耳を塞ぎたくなるような音楽。
耳鳴りのような音であったり不安を感じさせる音。

ダニーの三輪車が移動する音、ジャックのタイプライターを叩く音。

メインの3人の演技力が高すぎてホラー。
ジャックを演じるジャック・ニコルソン、その妻のウェンディーを演じるシェリー・デュヴァル、息子のダニーを演じるダニー・ロイド。
ジャック・ニコルソンの表情やセリフの言い方。さすがジョーカーを演じただけあるって思う。
シェリー・デュヴァルは失礼だけど顔が元から怖い。目の窪み深くて怖い。
ダニー・ロイドはポカーン顔が可愛くて癒しだったけどレッドラム的なことを言っている時怖すぎ。

ジャケットのシーンはにやにやしてしまうほどに好き。

スティーブン・キングの作品は監督がどうであれ独特のSFというかファンタジー要素があって好き。
今作はスタンリー・キューブリックに対して辛辣だったけど。
スティーブン・キング自身が総指揮を務めたシャイニングも観たいけど4時間半なのが辛い。

ジャレッド・レトがボーカルの30STMの『The Kill』っていう歌のPVが大好きだったんだけどやっと『シャイニング』のオマージュではって言われている理由がわかった。
双子とか壁にボールを投げつけるシーンとか色々似てる。

私は好きな作品だけど矛盾というかシャイニング(輝き)や物語に重要そうなことはあまり語られないので好き嫌いは別れそうな感じはする。

『ドクタースリープ』が気になる。

何はともあれ怖。
ちょっとしたホラーより怖い。



⚪以下ネタバレ



コックのハロランはよく映画で死ぬパターンのキャラクターだなと思っていたらそうだった。呆気なさすぎて可哀想。

鏡がキーポイントかも。
ダニーがトニーと話している時に鏡越しだったり、ジャックがゴールドルーム的なところでお酒を飲んだ時、飲み物をこぼされてトイレに行った時、273号室でお風呂場に行った時、ダニーが扉に「REDRUM」と書いた時。

トイレの構図が不思議で、反対から取られたり、鏡に映らないように作られていた。
色々意味があるようで。

ラストの舞踏会の記念写真の解釈は生まれ変わりが1番しっくりくる。
監督もそう言っているみたいだし。

犬の着ぐるみと男性がなんかイチャイチャしてたのなんだったんだろ。

バスタブ全裸おばさんがほとんどのレビューにいて愛されているなと。

⚪鑑賞
映画天国で鑑賞(字幕)。

⚪パンフレット所持
鍋レモン

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