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シャイニングのArigaArigaのネタバレレビュー・内容・結末

シャイニング(1980年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

キューブリック作品の中でも一点透視図法が多く、その結果として舞台となるホテル内の不気味さと人物の狂気性がより際立っていると思います。
そして、何よりもこの作品は解釈が難しいと感じますね。ラストシーンはもちろん、なぜジャックの財布からお金がなくなったのか?クマと男のホモプレイの意味は?それぞれに明確な答えは無いと思いますが繰り返し見ていくうちに自分なりの答えが出ていき、またもう一度最初から見たくなる。そしてまた新たな疑問が生じる。
僕にとってキューブリックによるシャイニングはそんな作品です。
また、143分版では上記の疑問についてコンチネンタル版よりも多少の補足説明がされており、(ジャックのデジャヴ発言など)多少理解はしやすいのかな?と思います。

なぜジャックがあの写真に写っていたのかという疑問ですが、僕の解釈としてはあれはジャックの前世だと思います。
あのホテルの管理者になったものの中で、前世でパーティーに出席している者があの中で悲惨な死を遂げている。と考えると、グレーディーにも同じ事がいえるのではないでしょうか。ホテルのトイレで会話したあのグレーディーは事件を起こした当の本人の霊ではなく、彼の前世でありパーティーに出席していた。だから彼も狂い、家族を殺して自らホテルにとどまることを選んだ、と考えられます。143分版ではジャックは展望ホテルに対して強いデジャヴを感じると言っています。これは彼の前世がここにいたという事を彼自身が感じているということではないでしょうか?

また、ハロランさんのことについて、なぜ彼の事をホテルの幽霊は拒んでいたのでしょうか?それは彼がシャイニングを持っているということもあるでしょうが、ホテルは1921年で止まっています。当時は黒人差別がひどく、なので彼を拒んだと考えていいとおもいます。
彼がなぜこの映画の中で唯一殺されたのか?(ホテルに殺されたジャック除く)それはホテル側の幽霊がジャックに頼んだから。作中でも表れていますがジャックは責任についてとても執着しています。そんな彼がホテルの管理者として黒人を排除しろといわれていますから、家族を殺すよりも先に彼を殺す事を優先しますよね。だから先に狙われ、殺された。と言えます。

とまぁ、色々と書き連ねていますが、まだまだ納得のいく解釈ができていない部分もたくさんあります。(クマのホモプレイはなんなんだ!)この映画、1回で終わらすにはもったいなくないですか?
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