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シャイニングのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
3.5

モダンホラー🎬

ストーリーは冬の間ホテルの管理人を任された家族三人が様々な怪奇現象に遭遇し精神が蝕まれ、小説家志望の男が家族を惨殺しようとする恐怖を描いた作品でした。名作と言われる作品をやっと見れました。ジャック・ニコルソンの狂気に満ちた演技は観る者すべてを震撼させ、スタンリー・キューブリック監督による理知的な演出は観る者すべてを恐怖に陥れる。この映画を観ずしてホラーは語れません。

今作は映画の技術的部分が沢山詰まっていました。一つ目は左右対称のシンメトリーな構図です。ハロランが自宅で寝そべっているシーンは、中央にテレビ、真上に黒人女性の写真、左右にランプという構図ですし、オーバールック・ホテルの内部も左右対称の幾何学模様が施されたカーペットを中央にして、左右に部屋のドアが配置された構図でした。あまりに人工的で整然とした世界は、厳格なまでに左右対称すぎるがゆえに、かえって冷え冷えとした非現実感を醸し出しています。そしてその際たるものが、あの双子の少女です。可愛らしい女の子が二人並んでいるだけなのに、シンメトリーな構図にシンメトリーな少女が配置されると理屈抜きでひたすら怖いです。

今作で象徴的に使われているアイテムが「鏡」である。現実世界の“こちら側”に対して、「鏡」は“あちら側”を表すものとして登場し、物語が進行するにつれて、あちら側がこちら側を侵食していく構造になっています。洗面所で、ダニーが想像上の友達トミーに話しかけるシーン、237号室で、ジャックが全裸の女性を抱きしめるシーン、ダニーが寝室のドアに「REDRUM」と書くシーンなど沢山見られます。
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