エイシズム、ミソジニー、自己否定、自己嫌悪、自己崩壊。
ゴリッゴリの社会派ど真ん中のテーマを「ボディホラー」と言うゴリッゴリのジャンル映画ど真ん中で料理する。
シネコンで年齢層豊かな客層とこの手の映画を観れる日が来るとは。
ここ数年のミニシアターでしか観れなかったような映画がシネコンで上映される風潮、本当に最高ですね。
「視覚のみ」でテーマを物語る演出の教科書。
「古き良きボディホラー映画」の中でキューブリックイズムを爆発させる。
いつになったら…何処までいったら終わってくれるんだ…!な終盤戦の始まりを告げる「追いかけっこ」で「REVENGEの監督だ!」が炸裂するのが最高。
揺るぎない作家性と手癖の良さ。
勢いが良すぎる前蹴りと破壊される美術と躍動感に包まれる役者とカメラ。
そこに至るまでのバキバキに決まったフォント選定と編集の総合芸術。
最後の最後まで「映画を支配する」デミ・ムーアに食らいついていくマーガレット・クアリーの役者力対決。
生まれ変わっても尚「おっさんの権力構造」の中でしか自分を満たせない無情と胸糞の悪さ。
性的なカメラワークである程、男性視聴者の肩身が狭くなる風刺構造。
かなり体力を消耗したので、元気がある時に観るのをオススメします。