私たちが浴び続けた『シンデレラ幻想』
その古き良きアメリカに潜む『現実』
ストリップダンサーとして働く主人公は、一人の大金持ちの男と恋に落ちた。
派手な世界で浮遊している彼女たちだったが…、その結婚に『No』を突き付けられてしまったのだった!
さぁどうする?から始まる本作。
古き良きアメリカといえば『ヒーローがヒロインの王子様になる!』というのがセオリー。
その下敷きは『富豪と貧困』という構図なわけで、セックスワーカーである主人公を『ヒーローが救い上げる』というテーマから本作はスタートします。
この『富豪と貧困』という関係と『セックスワーカーである』という二つの要素が入り混じったことで、主人公の『仕事』と『愛』と『自我』が行動や発言に混乱を期すところが見どころだったかなと感じました。
その結果がラストシーンで、発現するところもよかったです。
一見セクシャリティに見える(実際そこらへんが派手だが)部分に気を取られず、一人の人間の心の機微、社会の構図からの不条理、そして決心を感じ取れるととても良い一本だと思います。
ぜひご鑑賞してみてはいかがでしょうか?