フライ

ガメラ 大怪獣空中決戦のフライのレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
3.4
昔からゴジラよりガメラ派だった自分は、3作共初日映画館で鑑賞する程ガメラが好きだったし、本作も当然感動した記憶もあったが…
ガメラ3部作の1作目だが、このシリーズの面白さは、3作全てを通し色々な視点から魅力と面白さを感じさせてくれる所にある。
本作を久しぶりに鑑賞したが、昔とは違う視点で色々な魅力と酷さを感じ楽しめた。

大量のプルトニウムを海上輸送する為、護衛していた海上保安庁巡視船 のじまの船員で伊原剛志が演じる米森は、水深3000m以上ある海上で輸送船が座礁すると言う信じられない危機的状況に遭遇する。興味を抱いた米森は、その不可解な事象を調査する為、民間調査船の船長、草薙に頼み込み、同行して海上へと向かう。そして浮遊した巨大な岩礁を発見し、大量の勾玉を発見するも突然動き出す異常事態に。
その頃中山忍が演じる鳥類学者の長峰真弓は、五島列島の姫神島に調査に行った上司の平田教授や島民全てが行方不明になった事で、警察の依頼で調査へ。島は家が破壊され更には巨大な怪鳥を発見する事に。そして米森の調査する動く岩礁と、長峰の調査する怪鳥が1つの大災害へと結びつく事になるのだが。

当時は本当に期待して鑑賞したし、見た後で感動した記憶もあるが、改めて観ると中々の酷さに色々な思いも。
兎に角酷いのは、伊原剛志と中山忍、藤谷文子などの演技、演出に終始苛立ちを覚えたし、あらゆるシーンにツッコミ所を感じた。邦画を嫌いになるのはこう言う所なのかなと変な感傷も。それでもストーリーは、かなり秀逸で引き込まれる魅力も。
ガメラとギャオスの戦闘もコテコテの特撮に2、3作目を観ると尚更感じるだけに、思わず苦笑いしてしまうものが。シリーズ全体で感じた生々しさは本作にもありそこは楽しめた。
ガメラのジェットエンジンの様に手足から火を吹きながら回転し、空を飛ぶ圧倒的な機動力、且つ、戦闘シーンの凄まじいやられっぷりと生々しい流血は健在で観ていて胸が踊った。

幾ら見るに堪えない酷いシーンがあるとは言え、次作へ繋がる作品なだけに、必ず見る必要のある作品だし、2、3と進む内にクオリティーがずば抜けて上がるだけに、そんな所もシリーズの面白さとして、本作の魅力に感じられた。

全く別だが、シン・ゴジラは大人向けで且つ政治色強めに描かれ、子供には多少難しいが、そこが魅力にも感じた。しかし本作は20年以上前に大人向けの政治色強めで、わかり易さも多少入れ描いているだけに着眼点の素晴らしさを感じた。そこに藤谷文子が演じる草薙浅黄とガメラの一体感で感情移入させ、多少子供向けにしているのも流石だと思えた。
何より対怪獣戦で自分の好きなギロンとギャオスのうち、ギャオスを見れたのは感無量だった。
フライ

フライ