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ガメラ 大怪獣空中決戦の閣下のレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
4.0
あくまで個人的意見とすれば、平成ガメラの作品としては1番好き。
特撮がどうだとか言うのはマニアとかヲタクの言い分であって、怪獣映画としてどうなのよ?って言った時に、良く出来た作品です。
そもそものガメラって一作目のガメラは初代ゴジラよろしく正義の怪獣ではなかったし、後々の昭和シリーズで見て取れるような子供の味方ではなかった。
が、いつしか子供の味方として子供に愛され、敵対する怪獣の蹂躙や侵略から結果として人間を守ったり、時として自ら助けたりして人間の味方、子供の味方、正義の味方として定着した感がある怪獣です。
そんなガメラが平成に復活して割とリアル志向になった感じがありましたが、闇雲にどの子供にも味方するのではなく勾玉を介して精神感応する少女と心を通わせているようにも見受けられ、ギャオスとは戦うプログラムがあるようにも見え、基本的に人間を襲うような行動はとらない……昭和ガメラより大人目線になった感じでしょうか?
昭和ガメラよりもリアルになった造型でも可愛らしさというか愛嬌のある顔つきはまごう事の無いガメラそのものです。
一方、敵になるギャオスは生物として餌を求めて人を襲ったり、排泄したり、巣を作って卵を産んだり……ガメラとは違うベクトルで生き物として、敵として徹底して凶悪な感じに描かれています。
多少、昭和期のソレとはニュアンスが違うけれど基本的に根源にあるキャラクター性は変わっていない気がするのは確かです。
少し話は飛びますが、昭和に人気シリーズになり、平成に甦った作品と言えばウルトラマンと仮面ライダーの日本では指折りのヒーローがいますが、作られた時期は前後するとは言え、かつてのシリーズよりリアル志向なり、大人目線になった作品は平成ガメラの一作目に通じるものがあるんじゃないか?と思うほどです。
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