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ガメラ 大怪獣空中決戦のうにたべたいのレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
4.2
北極の氷から蘇った古代獣だったはずがいつの間にか宇宙怪獣にされてしまい、ハードワークの末、爆散されてしまった昭和ガメラ最終作。それから15年の得を経て、満を持して作られた、平成ガメラ第1作作品。

過去作は踏襲せず、本作で戦うギャオスも含めて出自については再設定されていますが、根幹となる正義のガメラというスタンスは変更されていないため昭和ガメラ好きにも安心して見れる作品だと思います。
襲いくるギャオスに無償で対峙するガメラの姿は過去作と変わりなかったです。
ただ、作中ギャオスは、人をもりもり食べるので、小学生高学年以上からの作品と思います。昭和ギャオスも電車を襲って乗客を食ってましたけどね。

環境破壊などの要因で古代より残された卵が孵化し、怪鳥ギャオスが生まれて人を襲い始めたことをきっかけに、ガメラもまた復活、ギャオスとガメラの戦いが始まるというストーリーです。
復活する経緯は異なりますが、ガメラの、発電所などからエネルギーを得る設定や炎を吐く設定、甲羅に潜り込んで回転して飛翔するなど、基本的には昭和ガメラから変更されていないのが嬉しかったです。
ギャオスも、超音波メスによる攻撃や夜行性であるといった設定は残されていて、それを活かしたシナリオになっているのが嬉しいところです。
ラストでギャオスが、断末魔の超音波メスを射出するシーンなんかは、良くやってくれたと思いました。
こういった過去作を大事にする演出は非常に好感を持ちました。

怪獣がメインの怪獣映画で、人間サイドは狂言回し、あるいは身勝手さの象徴といった役割がメインです。
一応、ガメラと心を通わせる巫女的な存在となった女子高生がいるのですが、ガメラさんサイドからのアプローチはなく、個人的には必要だったのかなーと、それよりもこまっしゃくれた子供が大人を翻弄しながら活躍するみたいな作品の方が、ガメラらしくて良かったんじゃないかと思いました。
まぁ本作のターゲットは低くても中高生だと思うので、子供よりも高校生をストーリーの中心に据える必要があったのかなと思います。ガメラも、子供の味方というよりは人類の、または正義の味方として描かれています。

昭和ガメラに比較するとさすがにストーリーなど整っていて、見やすい作品です。
ガメラは本作からでもオススメします。