ブラウンソースハンバーグ師匠

ナミビアの砂漠のブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)
-
ミーハーなので、すごい日本映画が出たらしいよ~!という噂が、常時速度制限で稼動している私の元にも届きました。

怒りのピークとして、相手に手を出すという直情的「エモ」が個人的に嫌いで、それは余りにも安直であり、けっこう現実で散見されるからである。フィクションだからこその捻りというか、可視化できない静かなやり方を求めてしまう。
だから、この映画もそんな感情表現の乱打で(ふーん……)と作中のカナみたいな俯瞰をしていたのだけど、「ここで働かせてください!」ばりに喧嘩が執拗というか、しかも回数を重ねていくうちに当事者同士が喧嘩という「日常」に慣れてしまっている節もあり、なんだか根負けした。ちょっと尊いなとすら思ってしまった。カナみたいな女性がスクランブル交差点をプリウスミサイルみたいに突っ切って、見るからに硬いバッグが私の骨盤あたりを強く打ったりすることがあり、そういうときはマジでファックです!でも不幸せならOKです!と我慢していたんだけど、あいつらこういう喧嘩ばっかしてんのか。良いじゃねえか👍️

他人のクズ性を理解するときには、どうしてもその人の共感的な事情が付きまとうのだけど、そこを8割くらいまでは回避していた。それ以降の展開からは、なんだかカナに対する「仕方なさ」を感じてしまって、う~んとなった。かえって、カナ自身が知りたがっていた不調に名前が確定しなかったのは良かったと思う。