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暗闇にベルが鳴るのTSのレビュー・感想・評価

暗闇にベルが鳴る(1974年製作の映画)
3.4
【スラッシャー映画の原点】74点
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監督:ボブ・クラーク
製作国:カナダ
ジャンル:ホラー
収録時間:93分
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発掘良品第52弾。
久々に当たりの発掘良品を引きました。スラッシャー映画の始祖と名高い今作は、今では若干インパクトは弱いものの、当時見た人に計り知れないトラウマと恐怖心を与えた作品であることは間違いないでしょう。ジャケに映る不気味な眼はあの『リング』の貞子の目の元ネタなんじゃないかと思うくらい気持ち悪い。なお、たまたま吹き替えで見ましたが、殺人犯の吹き替えが本当に狂っていました笑 怪演ならぬ怪声というべきでしょうか。ある意味見事な吹き替えでありました。

クリスマスの夜、女子寮にてパーティが行われていた。そこを覗き見る不気味な人影。しばらくすると、電話が鳴り響くのだが。。

犯人の姿は最初からずっと明確に表されず、見る者に相当な不安を与えます。おまけに精神異常者のような素振りをみせ且つ、電話でも発狂するため恐怖は倍増します。自分が小さい時『リング』を見て砂嵐を見るのが怖くなったと同じように、当時これを見た人は電話に出るのが嫌になったでしょう。わけがわからないというのが一番怖い。電話の相手が意味のわからないことをひたすら発していたらそれだけで気が滅入ってしまいます。

ところどころ下ネタもぶっ込まれていて侮れない作品。捜査する警察も、寮にずっといる主人公も程よくおバカであり、ホラー独特の作風が醸し出されています。特に終盤なんて、何故に二階に上がっていくのかと突っ込まずにはいられませんでした。変なところで勇気が働く、命知らずの主人公でありました。

ラストも不気味であり、総じてなかなかのホラー作品ではないかと感じました。このエピソードは、アメリカとカナダでは相当有名な都市伝説の一つであるそうです。原題はBlack Christmas 邦題と似ても似つかないですが、クリスマスに見るべき隠れ作品なのかもしれません。
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