絶対に水を飲みたい男vs絶対に水を飲ませたくない男、史上最高にしょうもない小競り合い開幕!
私生活が忙しくなったため、投稿が少々ストップしていました。
短めなレビューが続いてしまうかもしれませんが、ご了承下さい。
あらすじは、冒頭で示した一文で事足りるかと思います。
水飲みたい!飲ませるものか!という、本当に些細なことから、後半にいくにつれてスケールアップしていくのがとても面白かったです。
最終的に人数も増え、誰が見ても戦争を想起させる様相にまで発展していったのは、流石としか言いようがありません。
コメディ描写として振り切るという意味で素晴らしいのと同時に、人間描写として振り切る、言い換えれば風刺的な滑稽さを炙り出すという意味で、ただのコメディショートフィルムには収まらない意義性を見出すことができるように感じました。
画面の根幹のしょうもなさがすべての足をいい意味で引っ張っていき、アクションの緩さも反転して良さになっていたし、軽い音も同様の効果として作品のテーマ性を強めていたと思います。
また、映像としても純粋に群衆描写としての迫力も担保され、スペクタクルさを感じられるのも良かったです。
青色と赤色の対比も全編を通して視覚的な意味と、モチーフ的な意味で共鳴し、何重にも目指す目標軸における作品の完成度を高めていました。
最後のオチも皮肉が効いており、徹底して人間の愚かさ、滑稽さが浮かび上がってくる展開、視点を貫いていたのは痺れさせられました。
細かい部分で気になる点はありましたが、それらも結局テーマ性の裏返しにつながってしまうような気がして、テーマ選びから成功していた作品だと強く感じる次第でした。
総じて、最後までテンション高く、人間の負の側面を動的に切り取った佳作でした!