日本を訪れた隻腕の唐人剣士(ジミー・ウォング)が、道先案内人の座頭市を頼りにしながら、目的地となる寺院を目指していく。勝新太郎が盲目の侠客を演じている、人気時代劇シリーズの第22作目。東宝配給に移行している。
片腕カンフーで有名な香港スター、ジミー・ウォングを招聘している作品。香港では「片腕必殺剣」シリーズの番外編という扱いになっており、ラストの決着が異なるバージョンが製作されたが、権利問題によりソフト化が不可能な状態となっている。
言葉が通じない者同士が親交を深めていくのだが、思い込みと勘違いが負の連鎖を引き起こしてしまい、ナンダカンダで対立関係が作られてしまう。唐人を絡ませているけれども、やっていることはいつも通りの様式美。
香港映画のカンフーは、ジャッキー・チェンの登場前後で様変わりしているため、過度な期待は禁物。カンフー映画黎明期であることを念頭に置きながら、「座頭市 対 片腕ドラゴン」の構図を楽しむべし。ゴア描写満載の殺陣も、非常に見応えあり。