共にボストン暮らしの訳あり男性で、離婚して以来離れ離れの子供との再会のため滞納中の慰謝料を稼ぎたいローリーと、アルコール依存の前科者で金に困っているコビー。各々の事情から大金求めて引き受け手のいなくなった市長選挙中の資金強奪計画に乗って対面した二人が、思い通りに進まぬ計画の中で窮地に陥る様を描く犯罪映画です。
共にスターで親友のマット・デイモンとベン・アフレックの制作会社アーティスト・エクイティが成功したAmazon作品の『AIR』に続いてAppleとの提携で制作した作品で、デイモンに加えベンの弟ケイシー織り成す物語を『ボーン・アイデンティティ』で勝手知ってるダグ・リーマン監督で描くも視聴者からの評判は芳しくありませんでした。
人気のあるケイパージャンルながら定番のドタバタコメディでなく、慌てる展開はあってもベンの監督作で批評家から称賛された『ザ・タウン』を思わせるリアリズムを導入します。とはいえ物語や演出は決して洗練されてはおらず、結局どちらにも徹しきれていない半端さが多方面で目につきますが、主演の二人の存在感で説得する一作です。