パレスチナ難民の一家の話。弱っていく盲目のおじいちゃんを何とかして喜ばせたい孫は、とある優しい嘘を思いつく。
戦争による犠牲者は、死者だけではないんだと強く思った。表層的なものばかりが目立つ世の中だけれど、その奥にある数字にはならないものにも目を向けることで、はじめて見えてくるものもあるように思う。
内容自体は、ハートウォーミングなお話ではある。でも、それだけではない、何とも言えない後味も残る。温かさもあれば、悲しさもあって、こんな望みすら許されない現実のままならなさに複雑な気持ちになる。
今見るべき、現代を切り取った秀逸な作品でした。