このレビューはネタバレを含みます
1980年代の香港。そこにあった九龍城塞を舞台に流民とてやってきた陳洛軍IDカード欲しかったので持ち金出したのに取りに行ったら、適当な仕上がりのIDカードを渡され、思わずお金と思って盗んだ袋の中にはヤク、大ボスから殺しの命令をうけ、王九たちが追っかけたが洛軍が逃げ込んだところが九龍城だった。
最初はボコボコにされる洛軍だけど、どれだけボコボコにされようともIDカードをもらうためにと日々場内で仕事に励む。そんな彼の姿を見て龍捲風とその舎弟たちは気が付けば洛軍にとっても初めて心開ける関係となる。
そんな洛軍にはとんでもない生い立ちがあり、実は命を狙われていた。
九龍城のセットがすごかった。あんな狭いところでのアクションシーンも見どころだったけど、その中でいろんな人が生活をしている様子、やんちゃな人たちも単に怖いだけの人ではなく、その中での秩序を保つ役割もあったりして、近い将来この場所も政府に引き渡さなければならないととも考えているような感じでした。
でも結局、洛軍は香港人だったから自分の生い立ちのわかるものが母親が残してくれていたならこんな苦労することもなく、IDカードを正規で貰えたのに…でもそうなるとかけがえのない仲間と出会うこともなかっただろうし、故郷と言える九龍城に行くこともなかったと思うとなんともなんとも…です。
とにかくこの時代のいろんなことが懐かしい。
私が初めて香港に行ったのは1986年、九龍城のビルの隙間から見える啓徳空港に降り立つ飛行機を見ていると色々懐かしい限り。
空港から市内へ向かうタクシーの中で毎回、九龍城を横目で見ておりました。
当時の音楽レスリーチャンが歌う「MONICA(吉川晃司のカバー)」初めて香港で聞いた時ビックリしたのと独特の歌い方「モ~ニカっあぁ~」に聞くたびによく物まねしていました。
今は無き、九龍城、今の香港ではなくなってしまった色んな香港の町の良さ自由を謳歌する人たちを懐かしく思える作品でもありました。
エンドロールに流れる「風的形状」を歌ってる岑寧兒ってなんか気になるなぁと思っていたら、やはり、パパがあのジョン・シャム(80年代の香港映画で良く出演していた)だった。