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十一人の賊軍のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

十一人の賊軍(2024年製作の映画)
4.6
戊辰戦争下、官軍と奥羽越列藩同盟軍の間で板挟みになった小藩・新発田の家老阿部サダヲが、同盟軍を欺きながら官軍に合流するため、城下から同盟軍が去るまでの間、死刑囚たちの決死隊に官軍の進撃を止めさせる奇策に出る。
捨て駒にされる死刑囚たちを山田孝之らが演じ、彼らの指揮官となる新発田の藩士を仲野太賀が演じる。
昭和の名脚本家、笠原和夫の原案を白石和彌、池上純哉の「虎狼の血」コンビが映画化したのだが、切った張った裏切ったは基本ヤクザも侍も似たようなものだから、親和性抜群で面白い。
たった十人の死刑囚プラス仲野太賀、しかも山田孝之は逃げることしか考えてない。
これでどうやって少数とはいえ正規軍を迎え撃てるのかという点は、戦いの地のロケーション、新発田藩の思惑、死刑囚たちの持っているスキルなどを組み合わせることで、なんとか説得力を持たせている。
また死刑囚たちの戦いというフィクションと、新発田藩の裏切りというリアルを組み合わせ、戦いと並行しながら騙し合いのコンゲームが動くという複雑なプロットも、広げた風呂敷の全ての要素をきっちりと回収してお見事。
物語の落とし所も、因果応報なるほど納得というポイントに持ってきた。
白石和彌は今年「碁盤斬り」という時代劇の傑作をものにしたが、毛色はだいぶ違えどこちらもすごく面白い。
やっぱりこの人、ガチガチの組織の中のアウトローを描かせたらいい仕事する。
ブログ記事:十一人の賊軍・・・・・評価額1700円
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