次男

フロム・ダスク・ティル・ドーンの次男のレビュー・感想・評価

4.2
多くの人が「なんの情報もいれずに観られてよかった」とおっしゃってる意味がようくわかりました。好き嫌いは知らんけど良いもんは観れる!

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ネタバレ
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『ザ・フライ』『狼男アメリカン』『スキャナー』『グレムリン』etc。VFXがSFXの上位互換かのように思われがちだけど、もう魅力は完全に別物だし、SFXには超えられない壁があると思うんだよな。本物の質感とかマニア性とか、なにかなあって考えてたけど、この映画観てたらわかった気がした、「なんか楽しそう」なんだよな。作り込んであればあるほど制作者の情熱とこだわりが露呈するし、「見せたい!」って気持ちがすごくダイレクトに伝わってくる。それがとっても楽しい!

人間の顔からヴァンパイアに変わってくグニャーンは最高に面白いし、カットによって自在にヴァンパイア度を変えてくるのも目に楽しい!セックスマシーンが四つん這いの獣モードになったときなんて、「なんでそんなモードになるか理由なんて用意してないんだろうなー」って笑っちゃうんだけど最高楽しいよね。

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言うのも不粋だけど、前半のタランティーノ系クライムパートがすごく効いてる作品だよなあ。北野映画よろしく、いつ銃声が響くかビクビクする空気のせいで、他の何かを警戒してる暇ないもの。思いのほかすんなりメキシコに入国して、さあどうなるのかなこっから、の矢先の急なロドリゲス。多少ネタバレ聞いててもぶん殴られたみたいな衝撃だと思う。

バカ映画のフリして、映画としてものすごーーくクレバーな作りなのかもしれない。

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…と言いながら、「タランティーノが撮っていたら」と妄想せずにいられない。

異様なハイテンションは絶品だけど、もしタランティーノが撮ってたら、主人公たちがヴァンパイアを粉砕していく様がクソかっこよかったんではと思っちゃう。この映画はヴァンパイアを追っかけすぎだと思う。もう一段階フィクションに振り切って、ジョージクルーニーやキッズ姉弟がキルビル的立ち回りでヴァンパイアをぶった切っていく、そんな映像が観たかったなあ〜〜。

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あ、続編はぜったい観ない。
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