だいざる

愛されるために、ここにいるのだいざるのレビュー・感想・評価

4.5
諸手を挙げて「好きだ〜!」と言えるラブロマンスに出会った。
『あと1センチの恋』を観て「お前ら全員軽いんじゃ!」という感想を抱いた方に強くオススメできます。
この映画の2人を観たら逆に「重いんじゃ!」となるかもしれませんけど、私はこれくらいが好き。
慎ましいラブストーリーが私には合うようです。

静かな静かな大人のラブロマンス。
妻とは離婚し一人息子とも上手くいかない。仕事にもやりがいを感じなくなり、施設に預けている父親との関係もギクシャクして、人生に疲れ始めていた50歳を過ぎた初老の男。彼は健康のためにと通い始めたタンゴ教室で30代の麗しい女性と出会う。
タンゴ教室で一緒に踊ったり、送り迎えをしているうちに、2人の距離は少しずつ縮まっていく。
しかし、彼女には結婚を間近に控えた婚約者がいてその事を彼に話せないでいた。

お互いある程度の歳を重ねた分別もしがらみもある大人なので、中々大きな一歩を踏み出すことができない。(女は婚約者がいるから尚のこと)
「好きだ」「愛してる」「一緒にいて欲しい」そんな直接的な言葉なんてまるでない。実際そんなものは必要ないんですよね。
お互いがお互いの事を想ってる事なんて、目を見ればすぐにわかる。そして、そういう演技をこの2人はしてくれる。

この映画の根幹に関わるアルゼンチンタンゴ。タンゴがこれほどまでに官能的なものであるとは露ほどにも思わなかった。
胸を合わせて踊るから必然的に2人の距離は近くなる。吐息がかかるほどに顔も近づく。
何度かある2人が踊るタンゴのシーン。
下手なラブシーンよりも遥かに甘美で、情緒豊かで思わず見惚れてしまいました。

冴えないおじさんと女性として一番輝く時代を過ごす女性(あくまで個人的見解)がそういう関係になるというのは、自分の身近では聞かない話なので現実的ではないのですが、お互いに欠けているものを補い合える、その人と一緒にいたいと心から思えるのなら、年齢なんて関係ないんでしょうね。

本当好きだわ、この映画。
Filmarks内での認知度は低いらしくMarkは自分を含め29。
友人の薦めで観たけど、彼女はどうやらマイナーな作品が好きなようだ。
でもまぁ自分にはタイプど真ん中な作品だった。
薦められたらFilmarksで評判悪くても積極的に観てみようと思う。
なので、ラブストーリー率が今まで以上に高くなるかもです。

映画満喫デーもこの作品の鑑賞を持って終了。
観る順番を間違えなくて良かったと胸をなでおろしております。
最後に『冬の小鳥』を持ってきてたらきっと眠れなくなってた。
度々タイムラインにお邪魔して申し訳ありませんでした。
また、いいね!やコメントをくださった皆様ありがとうございました。