AIRI

愛されるために、ここにいるのAIRIのレビュー・感想・評価

3.7
バイト先の人に勧められて、しかもアルゼンチンタンゴの映画と聞いて見ないわけいかないと思い、早速鑑賞。
セリフは最小限、90分程度と少々短めの時間ではあるものの、ここまで上質で繊細で鑑賞者を一気に燃え上がらせるラブストーリーに仕上げられるのは驚き。言葉のないシーンほど表情や仕草が歯止めのきかない恋心をよりリアルに表現している。何と言っても、作品の軸となっているアルゼンチンタンゴがやはり素晴らしかった。作品自体に派手さはなく、静かな空気が漂い続けるからこそ、熱いタンゴが際立つ。そして徐々にテンポが盛り上がるアルゼンチンタンゴの楽曲を巧みに使い分けることで、徐々に加速していく愛をより助長させる。また、この作品の更に良いところは、ただのラブストーリーではなく、親子の関係も描かれているという点。そうゆう意味でも色んな感情が溢れ、鑑賞後は余韻で幸福感に包まれる。やはりフランス映画は粋でお洒落で好きだと感じたし、楽曲の使い方や色彩、会話の間とか、全てがとにかく絶妙で素晴らしい。
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