父母ともに癌

太平洋奇跡の作戦 キスカの父母ともに癌のレビュー・感想・評価

太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年製作の映画)
3.9
太平洋戦争末期、キスカ島に取り残された守備隊を圧倒的に不利な状況を覆し救出する話。

特撮というものの凄さというか味というものを強く感じる作品。
飛行機の実在感、戦艦が海に浮かんでいる感、岩の間を急流が流れそれを縫っていく戦艦の緊張感。
CGとは別個のレベルでの良さがあって、これはこれでCGとは別に技術が進歩すればいいな、と思った。結構感動的。

日本海軍のさわやかな感じが割とよくでているタイプの映画だと思う。
三船が部下たちの軽挙妄動をひたすら止めて腰の重い指揮官を演じているんだけど、この腹に一物ある感じの説得力は三船にしか出せない。すごく良かった。軍人俳優、いや指揮官俳優ともいうべき俳優だと思う。
作戦自体は運が5割くらいを占めている実話なのでカタルシスはそんなに強くないけれど、敵に見つからないということでのサスペンスの気持ちよさはずっとあって、それがこの映画をおもしろくしていたな、という印象。

藤田進とか無茶苦茶いい顔してたし、稲葉義男もあんまり有能じゃないいい人でも無いなぜか上のほうにいる軍人感、を見事に演じていると思う。
志村喬、西村晃の二人が出演しているのがこの映画を観るきっかけになったけど、この二人の出演シーンは非常にサブ的だった。それでもやっぱり西村晃はイヤな軍人の役で目立っていたからすごいけど。

何より特撮がすごかった映画でした。それだけでも観る価値があるように思う。
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