保守派の田舎町を訪れたヘビーメタルバンドのメンバーが、潜伏するネオナチの凶行により、ゾンビ化してしまう。アナーキズム満点の世界観を構築している、スプラッター・コメディ。クリシュナ・シャー監督は、"初代シャマラン"的な位置付けにある人物。
VHS時代、たまたま入った雑貨屋で「星くず兄弟の伝説」と抱き合わせ販売されていた作品(ただし海外版)。メタルバンド"Holy Moses"率いる主人公が、魔導書の内容を音楽に変えたら、蘇生能力を手に入れてしまい、ナンタラカンタラ。
前半部の時点で、小人、フリーク、人狼、ヒトラーが揃い踏み。「出し惜しみせずに、見せたいモノをすぐに出す!」の精神が働いており、80年代ミュージック・ビデオ風のカットワークが印象鮮烈。スプラッターは控えめだけども、絵面がいちいち面白い。
「サイコ」と「悪魔のいけにえ」(草刈り機で追いかけ回す)のパロディは言わずもがな。ゾンビ化したバンドメンバーたちが、なぜかロボット風の動きを始めるところが抱腹絶倒。終局には「そう来たか!」と言いたくなるほどのビックリ展開が待っている。