廃墟と化した幽霊屋敷で一夜を過ごすことになった迷惑系ウェブ配信者が、不可思議な怪異現象に見舞われていく。ライブ・ストリーマーの生態を"滑稽なモノ"として捉えている、ホラー・コメディ。
住人が変死を遂げている、いわくつきの屋敷に配信者の男が潜入。モルモン教徒の詩人が元オーナーであり、呪詛が掛けられているのではないか、という自己分析が説明される。主人公が多くの小型カメラを駆使するため、「編集の妙」を楽しむことができる。
導入部が終わると、主人公のグルーピーとなる女性が現場に参上して、「死霊のはらわた2」のオマージュ路線へと突っ走っていく。ブルース・キャンベルを現在のウェブ配信者に置き換えたような印象が強く、「巧いこと作り込んでるなぁ」と感心させられる。
自己の承認欲求を満たすべく、非人道的な行為に手を染めていた配信者が、ガチの恐怖体験を通じて謝罪に追い込まれていく。安全圏から毒を吐いてくる視聴者(チャット欄)がグロテスクであり、その風刺性に映画的魅力が詰まっている。