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BISHU 〜世界でいちばん優しい服〜のKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
西川達郎監督、長編二作目にして初の商業映画『BISHU』の公開初日舞台挨拶付き上映に行ってきました。

西川監督は、私が毎年参加しているTAMA NEW WAVE で、2018年に上映された『向こうの家』で出会いました。インディーズとは思えない素晴らしい完成度の作品で、それ以来応援している監督さん。だから、そういった映画祭で出会った監督さんの商業映画デビューは、我が事のようにうれしい。

そんな『BISHU』だが、素晴らしい作品だった。

まずは『ミッドナイトスワン』の「服部樹咲」が、超絶「美少女」になって登場! アスペルガー症候群のちょっと難しい役柄だけど、その設定も逆にかわいく見える演出で、ずっと見ていたいほど。

またお姉さん役の岡崎紗絵さん、好きな女優さんなんですよね〜。

吉田栄作のがんこ親父もよかったけど、

私のイチオシは親友役の「長澤樹」! あまり喋らず表情も変えない主人公「しおり」との2人のシーンで、彼女の軽妙な演技が「しおり」の個性を引き立て、作品を回していたと思う。

父(吉田栄作)との関係も、姉(岡崎紗絵)との関係も、少し欲張りで引っ張り過ぎかなぁとも思ったけど、全ての伏線をきれいに回収してみせる。

アスペルガーの主人公の夢見るような脳内を表す手描きのアニメーションも温かくて良い。

『BISHU』は尾州。毛織物産業を中心に据えた地方創生的な作品ながら、その種の映画にはよくあるわざとらしさを抑えて、ストーリーの中で自然に紹介できるように工夫された脚本と演出。

そして『向こうの家』でもそうだったが、西川監督は「家族」を描く。そしてその家族を見つめる瞳はとても温かい。

夢に向かって歩き出す少女と家族の物語。背中を押してくれる映画です。
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