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ミリキタニの猫のnagaoKAshunPEiのレビュー・感想・評価

ミリキタニの猫(2006年製作の映画)
4.5
奇跡のようなドキュメンタリーだった。
画家をしながらニューヨークのストリートで暮らすジミー・ツトム・ミリキタニに焦点を当てた作品。
はじめ、ストリートで暮らしながら猫の絵を描き続ける日系人に、おそらく興味本位でカメラを回し始めた監督。しかし、ミリキタニという人物にフォーカスしていくと、次第にミリキタニ自身が味わってきたアメリカの闇の部分が浮き彫りになる。そして、ミリキタニの取材を続ける最中、9.11同時多発テロが起き、ミリキタニを監督本人の家に住まわすことで、監督自身の人物にフォーカスしていくセルフ・ドキュメンタリーの体を成すようになる。

恐らく、ミリキタニを撮り始めたころ監督自身はこの作品がこうなることは全く予知していなかっただろう。
事実は小説よりも奇なりじゃないけど、1人の人物にフォーカスしていくことで、その人物が歩んできた人生がドキュメンタリー作品としての物語の推進力も持っているし、フィクションとはまた別の作品に観客を惹きこむパワーを持った作品だと思う。