TIFF。
アーティストのキャリアを諦めて、専業主婦になったエイミー・アダムズが、ある時から「自分は犬に変身しつつあるのではないか?」と言う考えに取り憑かれる。
この人、望んで専業主婦になったものの、やってみたら色々精神的に追い込まれてしまう。
眠れず、心休まる時もなく、夫は仕事で飛び回り、週末しか帰らないワンオペ状態。
だんだんとテンションがおかしな方へ向いて、原始の本能で野生覚醒しちゃう。
なんだ犬になってみたら、全部上手くいくじゃん!・・・と思ってもこれは末期症状なんだな。
まあ人にもよるんだろうが、人間が自分らしく生きてゆくには「スペース」が必要。
中盤までは、もうちょっとシュールな寓話劇の方に行くのかと思ってたら、終盤は意外と普通な方向へ。
内容は納得出来るんだけど、結局セリフで全部言っちゃうのはどうなんだ。
この映画主人公夫婦には母親、父親以外の役名がない。
つまり問題にぶち当たってる、全ての母親と父親の分身ということなのだろう。
全体の印象としては、言いたいことは全部わかるけど、作りとしてはちょっと中途半端な寓話という感じ。