ボブおじさん

エリン・ブロコビッチのボブおじさんのレビュー・感想・評価

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)
3.8
「セックスと嘘とビデオテープ」で注目を浴びたスティーヴン・ソダーバーグ監督の名声を決定づけた映画で、ヒロインのジュリア・ロバーツがアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品。

タイトルにその名を使われた実在の女性が、アメリカの大企業PG&Eを相手に環境汚染に対する訴訟を起こし3億3千万ドルという史上最高額の和解金を勝ち取った半生を描いている。

映画はブロコビッチが仕事の面接に落ちた後、追突事故に遭うシーンから始まる。この時の彼女は2度の離婚歴、3人の子持ち、学歴なし、無職のシングルマザーで貯金残高はわずか16ドル😢

崖っぷちで居場所が無かった彼女が法律事務所に入り、ミニスカートに胸が大きく開いたスーツを着て、公害訴訟で巨大企業相手に一発逆転満塁ホームランを放つ痛快なリアル・サクセスストーリー😊

職場の上司、マスリー弁護士を演じたアルバート・フィニーの演技も素晴らしい。

ヒロインは人物的にはハッキリ言って苦手なタイプだけれども彼女の自己肯定感と行動力は見習いたい。組織の論理にとらわれず、自分自身の常識、正義感に基づいて行動する姿には思わず拍手をしたくなる。

どん底人生からのサクセスストーリーというのは有りがちだけれど、それまで恋愛ドラマやサスペンスのイメージが強かったジュリア・ロバーツの役者としての底力を見せつけられた映画だった😊


〈余談ですが〉
映画はラスト痛快なハッピーエンドで幕を閉じるが、実際の彼女のその後は更に波瀾万丈だったらしい。

和解金を勝ち取った時、彼女はまだ36歳。特別ボーナスを手にした彼女にベビーシッターや元夫が付きまとい金を請求。

突如有名になり家を空けることも多くなったことが原因で、長男と長女は10代で薬物依存症に陥ったとか😢

ボーナスで購入した家も管理不行き届きですぐにボロボロになってしまい、プライベートでは3度目の結婚をするもすぐに離婚した上に、配偶者扶養費の支払いを求められたり、おまけにボートの飲酒運転で逮捕されてとその後の人生も映画になりそう😅