井之頭五郎の大冒険!
五郎さんは、波濤を越え、島々を踏破し、異国を征す。
なぜか五郎さんには、美女が群れ、イケメンが絡み、オッサンが寄って、難題珍問が雨霰と降りかかる。
なれど我等が五郎さんの、腹は減る♪
そして五郎さんが飯を食う。
順光で食べ、逆光で喰らい、見詰められたり、注目されたり、そしてなんと!皆で食べたりも、する。そして五郎さんが美味しそうに食べると、幸せでスクリーンの内外が満たされる。
映画館の闇のそこかしこから、漏れ聴こえるクスクス笑い。終劇明転の瞬間に広がる穏やかで朗らかな空気。
振り返れば客席は多様性の極み。顔面金属入り強面系兄ィから、連れ立って観劇された老夫婦、出勤前のお姉さん風な女子に、スマホに向かってレビュー始めてる映画マニア。忘れちゃいけない孤独のグルメのメインターゲットたる何処にでもいるおじさんも♪
多種多様な客層にアプローチし、映画館まで足を運ばせ、しかも皆の幸福度を数段UPさせて帰す。
秀逸なコメディ映画としてパーフェクトに成立させながら、今も残るコロナ禍や帝国時代の影、北九州島嶼部と朝鮮半島南部の多島海世界的な歴史的な繋がりも物語の脇にそっと添え、映画に広がりと深みをもたせる。
そんな離れ業を完遂した本作の主演・監督 松重豊 の手腕と視野の広さに脱帽なのです。
ドラマ版の延長戦のつもりで気軽に観に行って、こんな良作プレゼントしてくれるとか、ユタカに惚れてしまいそう♡
孤独のグルメは、断絶の時代の接着剤なのか?!
とか、
新時代のブロックバスター爆誕!!
とかとか、
サブカル糞野郎な妄想を幸せに玩んでる訳だけど、そんな事はさて置いて……腹が、減った……って、やっぱり孤独のグルメごっこ、するよね〜www