フローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドのスターパワーで送るど真ん中ど直球勝負の時系列シャッフル恋愛映画。
劇中のセリフを借りれば「今」を切り取る故の時系列シャッフル。
「マリッジストーリー」のような展開や空気感を想像していたが大間違い。
本作を取り巻くのは現実の中の「美しい瞬間」であって、殺伐とした非情さではない。
闘病とキャリア、子を持ちたいか否か、子に何が残せるか、何を残したいか、そうした人生設計についての細やかな衝突こそあれど、登場人物たちの物分かりの良さがそれを柔らかい物に変えていく。
コンビニでのドア蹴破りでのアイコンタクトで思わず笑ってしまった。
ここまで堂々とした「彼岸を渡る」画を観たのは久しいかもしれない。
人生を讃歌したくなる、優しい映画でした。
