似太郎

CURE キュアの似太郎のレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.9
🏫立教大学時代からゴダールやブレッソンなど、その如何にも蓮實の理論+シネフィル的意匠を凝らした自主映画を大量生産してきた黒沢清の、サイコホラーに方向転換した記念碑的作品。

🤔果たしてこの映画が純粋に楽しめるか楽しめないか?と訊かれたら、バッサリと「楽しめない」と答える。その手のシネフィルの方だけどうぞ!みたいな狙いが透けて見える画作りやあざとい長回しばかりで特に内容など無い。(失礼!)

😓これはある意味「一部の映画オタクによる記憶装置」という趣向の作品なので、そういったコアなシネフィルの方には堪らない映画なんだろう。ある程度、映画経験や人生経験を積めば何てことのない「お遊戯的世界観」である。タランティーノと大して変わらない。

🤷‍♂️主演の役所広司、萩原聖人共に薄っぺらい大根演技を披露しておりいつもの「重み」が無い。「重み」が無いからいいんじゃない?と言えばそれまでだが、やはり最後までシックリ来ない映画である事も確か。

正直、本家の『羊たちの沈黙』や『セブン』には到底及ばないスリラーではあるが、この時代ならではの終末観てんこ盛りの雰囲気は見応えがある。スコアは大甘で3.8 を献上。👊💥
似太郎

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