kazuuu

CURE キュアのkazuuuのネタバレレビュー・内容・結末

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

勧められて観てみた。

安定しているように見える自分の世界に、突然異物が現れる、という構図は、この監督にある程度共通している模様。

その前提を把握した上で見てみると、この映画での異物は、目の前の当たり前を疑わせ、人々の心の奥底を解放する人物だ。

「お前は誰だ」「あなたの話を聞かせて」といった言葉、そして催眠術を駆使して人々に殺人をさせる。
お前は誰だ、という問いに、多くの人は職業をもって答える。刑事の誰々、教師の誰々。しかし、犯人はさらに問い続ける、お前は誰だと。
この問いに答えようとすると、我々のアイデンティティとは何か、と考えざるを得ない。社会的な役割が全てではないはずだ。

また、犯人は負の感情を発露させる。
人間は、心の底にある憎しみ、怒りなどの負の感情を普段は隠している。それを露わにして感情に従わせるのが、伝道師を名乗る犯人な訳だ。

人間が負の感情を普段は表に出さない理由は様々あるだろうが、私は大きな理由として、人は1人では生きていけないので、集団の中で生きていく為、だと思う。
そう考えると、この負の感情を発露させる犯人の目的も、1人の人間としてやりたい事をやれ、といった形の解放にも思われる。

どうも書いていて就活での自己分析のようになってきた。
自己分析も、突き詰めると恐ろしい話に行き着くのかもしれない。
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