ギャス

CURE キュアのギャスのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.7
久しぶりに観たが、やはり素晴らしい。
脚本の素晴らしさと役者たちの演技のハマり具合、音の効果と絵の渋さ、細部まで計算された小道具まで、全てが相乗効果で、気味の悪さとオカルティックな興奮をかきたてる。

個人的には「覚えてないんだよ」のセリフの時のうじきつよしが最高の表情だった。あれは怖い。


ネタバレ
役所のミイラ取りがミイラにという展開に、伏線から説得力がある。
萩原聖人に"こちら側の人間"と言わしめる役所広司のチカラとは、
強い善と強い悪を内に抱え、それを自覚しているからか。
蓄音機からの声で、彼は最強の伝道師として覚醒し、その力は最強。
チカラを放ち解放されたあとの(妻をXしたあとの)ラストのファミレスでの落ち着いた物腰、付けたタバコの火を見ただけの人間に、その内なる憎悪を覚醒させてしまうパワー。
これから彼の御業が繰り広げられる美しくも不気味な街の景色に、恐怖と興奮を禁じえない。
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