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地続きの日常が不意に崩れ去る様を捉えた冷徹な長回し、特に交番での一幕が以前鑑賞した際に強く記憶に刻まれていたのだけど、件の殺人は大仰な演出でショックを予感させることもなく、印象よりもずっと控え目にヌ…
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面白かった。役所広司演じる主人公の高部が、仕事の疲れや妻の介護などから精神を疲弊させていき、連続殺人鬼(殺人教唆)の間宮との出会いによってそれが破滅的な方向へと変質してしまう。独特なロングテイクや、…
>>続きを読む前は、俺の中にあったものが、今全部外にある———
その代わり俺自身は、空っぽになった。
殺人鬼もとい伝道師 間宮の印象的なセリフ。
この映画の中での、CURE(癒し・治療)とは、こういうことらしい…
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憎悪は催眠で覚醒する。
決して殺すことはしないが身近にウザいな、死んでほしいなと思う相手がいることくらいは至って普通のことなのだろう。
水の音や風の音、機械音など日常的な音が何処か不気味に感じら…
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不安になりすぎて心地よくなってくる
役所広司の「なんで俺みたいにまともな人間がこんなに苦労してお前らみたいなのが楽して生きてんだよ、なんであんな女房を一生面倒みなきゃいけねえんだよ」のとこで負けイ…
再鑑賞。
終盤に向けて精神が焦燥や憎悪に侵されていく感覚は、自分のものなのか役所広司演じる高部のものなのか。そして何をもってCURE(治療・救済)されるのか。そんなリアルな実感と、黒沢清の代名詞とも…