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青春 -帰-のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

青春 -帰-(2024年製作の映画)
2.0
【ブレスト段階?】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=AMdRfcXxvEo

ワン・ビン縫製工場シリーズ最終章『青春 帰』をシアター・イメージフォーラムで観た。『苦い銭』『15 HOURS』含めたら24時間以上、このテーマと向き合ったことになるが、最後の最後で残念な結末を迎えることとなった。

ワン・ビン縫製工場シリーズは毎回、同じように見えて軸がある。『青春 苦』の場合、社長夜逃げ問題から労働者の団体交渉を軸に添えている。今回はタイトル通り、工場/故郷の関係性を描いており、春節シーズンに故郷へ帰ろうとする者が、給料未払いのリスクを抱えながらなんとか報酬を受け取り、激密な列車、悪路極めし山道を乗り越え、オールザウェイ、まるでオデュッセイアがごとく凱旋する。しかし、故郷では結核を患った父や仕事のなさといった問題があり、「どう生きればよいのか?」といった実存の危機と対峙する。

親は結婚は別にしなくても良いと言うけれど、親を見捨て都会で独りになるにはどこか後ろめたさがある様と豪勢な結婚式により血が強固に結びつく様が待避される。

その構図の掘り下げがずっと続くのかと思いきやまた工場へ戻るのだ。しかも、本来であれば第一部でやるべきだろう仄暗い工場通りを彷徨い入門する過程。新入りの不器用男子がチャキチャキの女に煽られいじけるなどといった描写を掘り下げ始める。そこから1時間ぐらいは、帰郷のテーマから離れてしまいボンヤリとした、とりあえず素材が良いから入れました感の強い内容に陥ってしまった。
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