世界のタナカ

男性・女性の世界のタナカのレビュー・感想・評価

男性・女性(1965年製作の映画)
4.5
マルクスとコカコーラの子供たち。という言葉が示す通り、共産主義に傾倒する男と、ポップカルチャーと戯れる女の、すれ違い続ける青春。ゴダールは観れない作品が多すぎるので断定はできないけれど、まっとうな青春映画って、じつはこれくらいしかないのでは。

嫁さんに逃げられたゴダールが泣きはらしつつ撮ったであろう作品なので、(個人的にはもっとも好きな)『女は女である』などにあった、あのマジカルなヴァイブスはここにはない。代わりに獲得したのは冷めたリアリズムで、60年代だけにある時代の空気感を見事にとらえてはいるのだけれど、会話のシークエンスがやたらと冗長だったり、映画的なおもしろさは死んでしまっていたりもする。インタビューシーンの退屈さは、ほぼ自主制作映画のそれである。

それでも観れてしまうのは主演の2人の魅力につきるのだけれど、とくにアンナ・カリーナに取って代わったシャンタル・ゴヤはまったくもってすばらしい。劇中でコカコーラの子供そのものなガールズポップをレコードに吹き込むシーンがあるのですが、あれはどこかで買えるのでしょうか。