【彷徨う思索の外部化としてのヴァーチャル空間】
FILM COMMENTの未配給ベスト2024に選出された作品を観た。
本作は写真集のようなテイストとなっており、アンニュイな女性の心理を捉えようと青みかかった画で表現している。
アンニュイな思索の放浪を描いているのだが、その放浪は物理的な場に留まらずGoogle Mapsや青きヴァーチャル空間だったりする。物理的にそこにいないが仮想的にそこにいる様の視覚化として効果的であり、その効果を最大限引き出す為に睡眠アプリで微睡む場面では黒画面となる。
ミニマルだが強固な映像理論に基づく傑作であった。